重ねた冬待ち恋紅葉

誰にも言わずに秘めたまま、
たった一つ、望んでいること。

叶うはずもないと諦めている。
というよりも、叶うことなど在り得ないと心の底から信じている。
その不文律に歪が生じたのは、恋紅葉に触れたからだろうか。
口に出せば矛盾してしまうと知っているからこそ、まだ言わない。
……本当は矛盾なんてしていないだけれど、認めるのが怖いから噛み合わないままにしているだけ。

言わないことが、不安にさせると解ってはいるのだけれど。
今はまだ、繋いだ手だけを信じていてほしい。

色褪せの森の中で、想う。






（「君となら」）

続きは約束のもの。
どこぞのお姫様と話していた際に飲み込んだ言葉。
……だって、長すぎて直接顔見て話すのは、なぁ……？
手紙で送らないのは、押し付けたくなかったから。
訊かれたことには答えるけれど、見たくなければ見なくてもいいよ、と。任せる。


※非常に惚気全開で痛々しい内容になってるので閲覧注意。





















以心伝心なんかじゃない。
お互いに、人同士は完全に解り合えるわけがないと思っている。
親近感を覚えることはあっても、完全一致は不可能だ。
考え方や価値観は、人それぞれ。

……ていうか俺、自分と全く同じ考えの奴なんかと付き合いたくねぇよ。
こんな性格悪い奴、絶対ぇ御免だ。
例え似ていても、違う視点だからこそ一緒にいて楽しいと俺は思う。

ただ、わからないからこその時間を積み重ねてきたつもり。
どちらかが目や耳を塞いだ時は甘露水で呼んでみたり、時には脅して。
ぶつかったり突っぱねたり擦れ違ったりしながら少しずつ歩調を合わせてきた。
確かに彼女とは、考え方が寄るところも多いけれど。
それに甘えて楽な方へと逃げてきたわけでは、決して無い。


喧嘩したことだってそれなりに。
酷い事をしたし、酷い事も言った。泣かせてしまったことだって一度じゃない。
今でも思い出すとあの時の自分を紫煙銃で思いっきりぶん殴りたくなる。
怖い思いも痛い思いも、きっと沢山させたんだろう。

馬鹿じゃねぇのか、と思うことも正直に言えばある。
飛んで逃げればいいものを、何故わざわざ狭い鳥籠の中へ留まりたがるのか。
空へおかえりと籠を開けたこともあっただろうに。
不自由さが幸せだと囀りながら、俺がいいのだと傍にいてくれる。
理解できない。馬鹿だ馬鹿だと言いながら、そんな馬鹿が好きな辺り、自分はもっと馬鹿なんだと思う。


何処が好き、と訊かれても困る。
全部としか答えようがないから。
完璧なわけじゃない、嫌な部分は嫌だと言ってる。
……怯えさせたいわけではないので、言い過ぎたと反省してる部分はあるけれど。
嫌なところも駄目なところもひっくるめて大事に想ってる。

なんでもそつなくこなすように見えて、予想外の事態にからっきし弱いし。
良くも悪くも一度考え始めると周りが見えなくなるし、意外と泣き虫だし。
ガラクタだらけの砂利道を、裸足で真っ直ぐ進むことしかできないド不器用だし。
でも、その分頑張り屋さんだから、俺も負けていられないと思う。
物凄く素直で、こちらの主張はいつだって一生懸命理解しようとしてくれる。
逆に自分の思っていることも、時間かかったり迷いながらもきちんと伝えてくれる。
喧嘩した時でさえ、「もういい」と黙り込むことはないんだ、絶対。
そういうところが、好き。

傷だらけの足が歩みを止めてしまった時は、俺がどこへでも連れて行きたい。
支えたい、力になりたい、何も出来なくても一緒に居たい。そう思ったから傍にいる。
現状、助けられていることが多いのだけれど。
だって我ながら相当好き放題していると思うんだ。
もうちょっと大事にしたいし素直に伝えたいのだけれど、生き方を急に変えるのは難しい。
それでもそんな手前勝手を受け入れてくれる。本当は痛いと言いながら、隣で待っていてくれる。
そういう彼女だからこそ、俺も変わりたい応えたいと思うわけで。
同時に、こんな奇特な奴は彼女しかいないだろうなぁ、と。

ちょっとした仕草や一言一言、他も挙げれば限がないので、それは割愛。
全部、大好き。


一緒に過ごしてると「ありがとう」って言葉が自然と増える。
相手の為にどうしたらいいだろうって考えて、お互いが努力しているし、
それを当たり前だとも思っていないからだと思う。
そんな風にして半年間。積み重ねて来たから今があるんだ。
それは、知っていて欲しい。分からないというのなら、それでもいいから。







……予想より酷い。なんだこれ。
惚気なんだか懺悔文なんだか。

とりあえず君が思うほど、通じ合ってるわけでもなんでも出来るわけでもないんだよ、と。
ちゃんと約束は守ったからな。あぁもう、新年だけだからなこんなこと言うの。
二度と表には出さんわ。恥ずい。
頭湧いててごめんなさい。